山野弘樹『独学の思考法 地頭を鍛える「考える技術」』講談社現代新書、2022年、kindle版
「考える技術」というと板坂元の『考える技術・書く技術』(講談社現代新書、1973年)を思い出す古い世代の人間にとって、本書は気になる存在である。将棋の谷川十七世名人が昔とは勉強の仕方が違っているという発言をインタビューで見た。板坂元の頃はカード式であった。梅棹忠夫の『知的生産の技術』(岩波新書、1969年)に対しカードの色で用途を変えていた。山野弘樹氏は、イーターネットネイティブだし、VTuberなのでどのような技術を使っているかに興味があった。
「いわば「哲学」とは、「常識」の中に埋もれてしまっている「問い」を見つけだし、それを言語化することで、オリジナルな思考を構築し、自分の学び =独学に真摯に向き合うための最良の技法なのです。」
—『独学の思考法 地頭を鍛える「考える技術」 (講談社現代新書)』山野弘樹著
プロローグのエピソードなど、あるあると思える話だ(同意のメモ:その通り!)。ショーペンハウアーの『読書について』は気になっていたが、まだ読んでいない。この本だけでもポイントは十分にわかった気になった。本は読むタイミングがある。
知識について、若い頃は何も考えていなかった。教わりもしなかった。資格試験の勉強が長かったので、尚更かも知れない。この頃、やっと知識とは何かを考えるようになった。知識が見る見るうちに陳腐化する世界では、何がではなく、何故という問いが必要だ。その背景がわからないと解釈すらできない。
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