M.マクルーハン、森常治訳『グーテンベルクの銀河系 活字人間の形成』みすず書房、1986年、2001年第10刷
目次を見てみよう。
前書き
序章
グーテンベルクの銀河系
再編成された銀河系 またの名、個人主義社会における大衆状況
グーテンベルクの銀河系がモザイクの塊である。本書の大半がモザイクであり、どこから読んでもよいと思う。
目次の最初は「リア王が……18」である。
18頁は「リア王が「日頃胸中に暗く潜む蟠り(以下、省略)」と本文が長々と続き、章、節などの区分はない。やっと24頁で大きな文字のセンテンスがでてきて、「人間は剥奪されることで……24」という目次が表すものとなる。
実際には、「人間は剥奪されることで役割の世界から職業の世界へと移行した。この人間の剥奪過程の実地教材(ワーキング・モデル)が『リア王』だ」(p.24)と京大式カードにまとめられたようなセンテンスがモザイクのように散りばめられ、その説明の文章が続く構成になっている。グーテンベルクの銀河系としか表現し得ない。
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