『20世紀論争史 現代思想の源泉』(2021)

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高橋昌一郎『20世紀論争史 現代思想の源泉』光文社新書、2021年

本書の対象は教養課程に在籍する大学一・二年生であるという。大学の講義に使えるように作られているようだ。

「仮に本書を「現代思想概論」や「現代思想史」や「科学史入門」といった講義で教科書・副読本として採用していただければ、前期一五回・後期一五回の合計三〇回の講義にちょうど適用できる三〇章になるはずである」(P440)。

そういう講座が大学の教養課程にあったら受講していただろうが、あいにく私の大学時代は現代思想史のようなものは選択科目になかった。西洋政治思想史もマキャヴェリからロックまで聴いた後は覚えていない。現代思想とかけ離れていたので興味を持ち続けることができなかった。

本書は教授と助手の対話を通じて根源的な問題を扱う。「科学を視野に入れない哲学も、哲学を視野にいれない科学も、もはや成立しなくなった」というのが、私が二〇〇二年に上梓した『科学哲学のすすめ』で述べた見解だ」(P16)。

注)高橋昌一郎『科学哲学のすすめ』丸善、2002年

助手の淹れるコーヒーの話が面白くて、蘊蓄漫画を読むようだ。

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