正木晃『密教』ちくま学芸文庫、2012年
書誌情報
『知の教科書 密教』(講談社選書メチエ、2004年)に増補したもの。
『空海コレクション』は少し早過ぎたようです。現代語訳を見てもわからないのです。「バカの壁」です。密教史の中に空海を位置付けないと、「即身成仏義」の意義がわからないのです。「即身成仏」というキーワードがどうして出てきたのかがわかりません。
正木晃氏は「本書は日本密教の入門書である」(P009)とはじめます。入門書ですが、「率直に言って、密教はむずかしい。同じ日本仏教のジャンルでも、いわゆる鎌倉新仏教とは比べものにならないくらい、複雑でしかも緻密な構造をもっている」(P009)とまで書いてます。
本書の基本方針は3つあるといいます。
・日本密教をインド以来の仏教全体史のなかに位置づける。
・伝統的な教学を、できるかぎりわかりやすく解説する。
・修行と儀礼についても、できるかぎりわかりやすく解説する。
第一章 密教とは何か
密教の定義と密教史が語られます。日本密教を密教史に位置付けることを企図しています。
第二章
「即身成仏」がキーワードになっていたので、これを読むために取り出して来たのでした。
コメント