『世界史のなかの戦国日本』(2012)

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村井章介『世界史のなかの戦国日本』ちくま学芸文庫、2012年

第1章扉裏と第6章扉裏の年表で大体の見当をつける。1366年の明の成立から1644年の明の滅亡まである。

解説 日本史と世界史とをどうつなげるかーー現在的課題への処方箋 橋本雄

近代ヨーロッパの歴史認識は「ヨーロッパ中心史観」ともいうべきものだったが、「「欧米」を目標に近代化を急いだ十九世紀の日本に直輸入された。それは日本人の歴史認識に大きな影響を与え、われわれもまた世界史をそういう眼で見てきたことはいなめない」(P012)。

村井章介氏はウォーラーステインの「世界システム」論を使って「東アジア世界」を描こうとしている。ウォーラーステインは「ヨーロッパ世界経済」の成立を描くことが目的であるとして、「ヨーロッパ世界経済から自立したアジアの世界システムを正面からとりあげ、その構造と論理を明らかにし、そのうえでヨーロッパ世界経済の影響を測定することは、われわれアジアの研究者こそが果たすべき課題だといえよう」(P017)。

戦国史であまり見かけなかった、倭寇やアイヌに琉球が扱われているのは新鮮だった。

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