奈良その奥から 11「散髪道」

ひととき

岡本彰夫 『ひととき』2019年9月号

元春日大社権宮司の岡本彰夫氏が「散髪道」について『ひととき』2019年9月号に書いていました。知人の子供が生まれて一族で春日大社に初宮詣するというので、挨拶に伺ったそうです。

そこで、知人の奥さんの父さんが近頃の散髪屋は、自分で道具を作らないと話したのが耳に残ったので、行きつけの理髪店に行ったとき、自分で道具を作るのか聞いてみたら、店主は、よくぞ聞いてくれましたとばかり、あれこれ工夫の話をしてくれたといいます。

そして、「自分の職業に誇りを持っている」こと、故に「更に高い技量を得るための修練に励む」こと、それをお客さんに提供する」こと、つまり、誇り・修練・真心という三カ条こそ、日本の職人さんが持ち続けた信念だとまとめました。

この話を読んで私は『大和古物散策』(ペリカン社、2000年)に始まる大和古物シリーズを思い出しました。そこには、岡本彰夫氏の職人に寄せる思いが書かれていました。

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