河上徹太郎、竹内好『近代の超克』冨山房百科文庫、1979年、2010年第11刷
松本健一の解題によれば、第Ⅰ部の知的協力会議 座談会「近代の超克」(1942年)から第Ⅱ部は竹内好の論文「近代の超克」(1959年)は「思想としての「近代の超克」を抽出しょうとした」とある。竹内好は「方法としてのアジア」(1961年)をいうようになる。
昭和思想史研究会で子安宣邦先生の「どうしていま「近代の超克」なのか ー竹内好「近代の超克」論を読む」という講義を聴いて、座談会はどうでもよいという気になった。大概、「近代の超克」論は参加者の論文と座談会の内容を追うことに終始して読者を飽きさせる。「近代の超克」が問われているが、「近代の超克」とは何かが明らかにされることはない。そもそも時代状況の異なる80年近く前の雑多な議論についていけるわけがない。
竹内好の「方法としてのアジア」を読むために、本箱をひっくり返すのは諦めて、竹内好『日本とアジア』(ちくま学芸文庫、1993年)を後日買うことにした。
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