今日読む本(その1)

断片記憶

何を読むか

何を読むかという本をよく読んできたが、自分にあてはめて読む本を探すのは難しい。今日読みたい本を手にしている時は意外に少ないものである。以前なら例えば『海の男/ホーンブロワーシリーズ』の最新号を手にすれば、その夜は何もすることなければ読むことに集中できた。今でも、宮城谷昌光氏の新刊が出れば、その日はご機嫌だ。

課題図書が与えられば、買って読むことにしている。大型書店で見つからなければネットで手に入れて読むことにしている。これも自分が選ぶわけではないが、読んで書いてあることを知ることで、自分の世界を広げることにつながる。課題図書というだけで読む動機付けがされる。

では、そういった優先順位付けがない場合、それがほとんどだが、何を基準に読む本を選ぶのだろうか? 研究者ではないので、読書に明確な目的があるわけでない。過去からの選択の結果として、書庫に本は積み上がっている。溢れていて探せない状態だ。あると分かっていても、段ボール箱を片付けて、本棚に辿り着くことは難しい。途中で代替本を見つけてやめてしまうのがせいぜいだ。

だから、今日読む本は、ソファに置いてある本、実家の本棚を眺めていて持ってきた本、例えばチェスの本のことだ。自分のリーチにある本か、本屋で目にした新刊本で買ってきてソファに置いてある本だ。フローリングには本を置かないことにしたので、本はソファか、寝床の側にあるのを読む。書庫は選択肢に入らない。では、今日読みたい本を読むためには私の場合、本を捨てるのが一番なのだろうか。今までの流れはその路線にあるようだ。大学院で書棚を設けてもらったり、災害への寄付のために処分したり、町の古書店に引き取ってもらってきた。その分野は結果として興味を失っていく。学会にも行かなくなったし、本も買わなくなった。

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