『高野山の声明 謂立論議 山王院月次問講』ビクターエンターテイメント、2007年、CD46分12秒
唄 散華・対掲/明神講表白
問者初重牒
講士初重牒 講士初重答
問者二重牒
講士二重牒 講士二重答
問者副義一重
講士副義一重
問者・講士 比喩論議
御領解・御法楽
「高野山の問答ー山王院月次問講ー」について、真言声明の会 代表の井川崇高(しゅうこう)氏が書いている。儀式には「法会」と「論議」がある。「論議」とは何かということについて、長い説明があるが、注に引用するとして、debateであるといっておく。この問答についてテキストがついている。しかし、だからといって理解が容易とは限らない。この問答というものは、延暦寺のも聴いたし、永平寺でもあった。高野山における問答の濫觴は、空海が上奏した「三業度入制度」に始まるといえよう」と井川氏は書いている。儀式としての問答は声明が日本に入ってきたときにあると考えられるが、この考察は高野山に限定されていた。
注)論議とは、難解な大乗仏教の教理やその実践の理論的に理解を深めるため、または自らの仏教理解が正しいものであるかを確認するため、そしてまた僧侶の立身出世のために、経典に説かれている教えをテーマとして、互いに議論を戦わせる問答であり、毎回設けられる論題に対して、自分の見解を主張する難者(問者とも言う)と、経典や論書を講説した後に問者の見解に対して反論をとなえる答者(たっしゃ)が、互いに往復問答を繰り広げ、最後にその講筵(こうえん)の上席者がその論題に「御領解(おりょうげ)」と呼ばれる判定をつける形式であり、高野山では総じて問講(もんこう)と呼んでいる。
今回収録の論題は、業議に三密双修、副議に発心即到が配されている。問者が比喩で李白の「早発白帝城』を持ち出すなど面白い。
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