『アール・デコの建築』(2005)

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吉田鋼市『アール・デコの建築 合理性と官能性の造形』中公新書、2005年

アール・デコは最も新しい造形様式の名前で、1960年代の後半に命名されたという。世界のアール・デコ建築は著者の売りだそうだ。

日本は東京都庭園美術館(1933年、旧朝香宮邸)がまず紹介される。設計は宮内省内匠寮工務課で担当は権藤要吉、室内にアンリ・ラバンの設計・制作になるものが使われている。このあたりは『アール・デコの館 旧朝香宮邸』(1993年)が詳しく書いていた。次にルネ,ブルーが内装設計に携わった日本橋三越だ。そしてマルク・シモンが設計した氷川丸の船内意匠である。

その他

フランク・ロイド・ライトの自由学園明日館(1922年)、淀川製鋼所迎賓館(1924年、旧山邑亭)、旧帝国ホテル(1923年)、電通八星苑(1917年、旧林邸)

遠藤新の武庫川女子大学甲子園会館(1930年、旧甲子園ホテル)

岡見健彦の日本基督教団高輪教会(1932年)

田上義也の北海道銀行円山クラブ(1927年、旧小熊邸)

大蔵省営繕管財局の設計の首相官邸旧館(1928年)

菅原栄蔵のライオン銀座ビル(1933年、旧大日本麦酒銀座本社)

渡辺仁の銀座和光ビル(1932年、旧服部時計店)、東京国立博物館本館(1937年)、DNタワー21(1938年、旧第一生命館)、原美術館(1938年、旧原邦造亭)、ホテルニューグランド本館(1927時)

国枝博のみずほ銀行大分支店(1932年、旧大分県農工銀行)

レリーフ

中村順平のJR東京駅(障壁で隠されている)、馬車道駅、山口銀行本店

アール・デコ建築は身近なところにあった。

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