知的生活の方法の先達

断片記憶

清水好子『紫式部』岩波新書、1973年

渡部昇一の『知的生活の方法』(1976年)にはカードに書くより本に直接書き込む方法がよいと書いてあった。私は結局、梅棹忠夫の京大式カードも渡部昇一の直接書込み方式も中途半端に終わり、本の処分とともに記憶も失われた。

この間、大雲堂で買った岩波新書に直接書込みがしてあったのを見て驚いた。渡部昇一が提唱する以前にすでに実践を重ねている御仁がいらしたのである。同じ筆跡と見られる本も同時に買ったのでまず間違いない。表紙の裏に要点がまとまっていて呆れている。付箋を貼ったまま本を閉じていた私は深く反省した。教員だった親も本を読むとはノートを取ることだとしていて常にノートを取っていたものだった。

さて、清水好子の本がでないとつぶやいたら、大雲堂の人も八木さんにもないという。八木さんとは八木書店のことである。源氏物語の研究者であった清水好子の本は幾らか読んだが主著といわれる本は読んでいない。論文のアンソロジーが出たけど、断り書きで外しているのだった。

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