「夢屋」を知る人

断片記憶

鈴木敏夫『歳月』(岩波書店、2023年)に深沢七郎とのエピソードが書いてあると天眞庵の店主に教えていただいた。

「深沢七郎さん これぞ、「人生指南」のことばだとぼくは納得した。」(鈴木敏夫)

「話の特集」の「人間滅亡的人生案内」から「女は男をたのしみ、男は女をたのしむ。これが大事なのです」という「人生指南」の言葉を引いていた。

深沢七郎が今川焼屋をやるというので、その開店の手伝いに行ったと言う。本書のカバーを外して読もうとした時に、本から、「”夢屋”開店のごあいさつ」のガリ版刷りのチラシがはらりと落ちた。

ここにも「夢屋」を知る人がいた。

注)「あなたの思っているように「女は男を楽にさせ、男は女を楽にさせる」ばかりではなく、女は男をたのしみ、男は女をたのしむ。これが重大なのです。女は男をたのしんで女は男のビフテキであり、男も女のビフテキなのです」(p.78、『人間滅亡的人生案内』河出書房新社、1971年第9版)。

注)今川焼屋「夢屋」は1971年10月にオープンしたので、鈴木敏夫氏は慶應義塾大学の学生で友人に誘われて手伝ったことになる。

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