蓑虫の装丁にまつわる話

断片記憶

大貫伸樹『装丁探索』(平凡社、2003年)

大貫伸樹氏の『装丁探索』を読んでLE PETIT PARISIENでの「H氏と語る」に出かけた。この本は刊行本にオリジナルの版画と栞を付けた限定版(31/33)。玉ノ井カフェの甘夏書店の棚置にあったものを入手した。装丁家にしてはちょっと粗いやり方で版画を後付していた(笑)。

LE PETIT PARISIENのオーナーがH氏から借りた小島烏水の『書斎の岳人』(書物展望社、1934年)を見せてくれたとき、ネットで蓑虫の装丁を調べていたら大貫伸樹氏のブログにでていたことで本の存在を知った。大貫伸樹氏は『書斎の岳人』の発行部数を980部と書いていたが、LE PETIT PARISIENのオーナーから、そのうち35部は特装版だと聞いていたので、確かめておきたかった。

H氏の話によると玉英堂の話ということだったが、980部も作ってはいないのではないかという見方もあるそうだ。然もありなん。蓑虫24,900匹もよう集められへん。H氏は一冊をバラして、鹿皮が中に使われていることを突き止めたが、蓑虫の蓑をボンドで止めようとしたが処理が難しいという。聴いていたK氏が蓑虫を使った装丁が他にもあるとコメントした。蓑虫を扱う技術はあったのだろう。

装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊

青木繁の挿絵

 

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