戸高一成氏「古書修理」(週刊新潮、2017年5月18日号)は、古書を分解して修理する話である。その経験により戸高氏は「本は、内容さえ同じならそれでよいという向きもあるが、私はそう思わない。本は、印刷、製本、用紙、デザイン、そして函、カバー、帯まで、全てが総合されて「本」なのであって、内容は本の一部だと思う」という。まことに同感であって、単行本は全集があるからといって捨てられない。古書を分解して修理してきた戸高氏でも手をつけられなかったはペリーの『日本遠征記』だという。修業を積んでからと思って先送りしているという。何十年先になるか分からないという(笑)。
そんな戸高一成氏の監修した写真集を私も持っていたことに気がついた。日露戦争の時の写真を陸軍と海軍に分けて刊行したものだが、大和ミュージアム館長の戸高氏は海軍を担当した。だから、戸高一成監修の『極秘 日露海戦写真帖』(柏書房、2004年)が捨てられないのだと思っているが、若者たちに理解されるだろうか。
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