円満字二郎(えんまじ じろう)『ひねくれ古典『列子』を読む』(新潮選書、2014年)
著者の名前がひねくれていると思った。
本選書は諸子百家の一人である「列子」の紹介本だ。20話の白文、読み下しに著者の解説からなる。
我々は「杞憂」とか知っているようで知らない。教科書に載らない続きの話が面白い。そうだったのかというわけである。
そうして列子をもっと読もうとすると、ご親切にも参考文献を載せているのだが、高価だったり重版未定で入手しにくいのである。
このあたりは、本のタイトルのようだ。面白いぞ、と煽っておいて、でも手に入りにくいぞといっている。出版界へのアピールと受け止めたい。
注)
2014/09/11 Amazonで調べてみた。選択肢は限られるがないわけではない。しかし、手軽な文庫版がないのは寂しい状況だ。
小林勝人訳注『列子(上)』(岩波文庫、1987年)品切。
小林勝人訳注『列子(下)』(岩波文庫、1987年)品切。
小林信明『新釈漢文大系22 列子』(明治書院、1967年)一時的に在庫切れ、9,072円と高価。
福永光司訳注『東洋文庫533列子(1)』(平凡社、1991年)品切、但し、ODワイド版あり。
福永光司訳注『東洋文庫544 列子(2)』(平凡社、1991年)在庫あり、ODワイド版あり。
竹田晃・麦谷邦夫訳『中国の古典2 老子・列子』(学研、1983年)品切。
奥平卓・大村益夫訳『中国の思想Ⅳ 老子・列子』(徳間書店、1996年)文庫本品切、単行本はあり、2,412円。
穴吹辰雄『中国古典新書 列子』(明徳出版社、1969年)品切。
なお品切品は中古品あり。
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