ひととき2025年8月号の特集は「朝と夜の京都」でした。松本隆さんの夜あそびの方にコメントします。
作詞家の松本隆さんは京都に住み始めて12年だそうです。
深夜喫茶しんしんしんで寛ぐ松本隆さんが、店主の西條豪さんに案内され京都の街中へ。陽の落ちた三条大橋が写っています。しかし、深夜喫茶しんしんしんの一階がAu Bon Mielなのは面白過ぎです。ハチミツ専門店の店主はよく知っているのでした。このブログにも何度か出てきます。
松本隆さんの話の中に六道(ろくどう)珍皇寺(ちんのうじ)の話が出てきました。
「哲学者の梅原猛さんに連れられて、六道珍皇寺のあの世とこの世をつなぐ井戸を見に行ったことも。梅原さんは『潜ると嵐山に出る』って言うのだけれども(笑)」というのを読んで、梅原猛『京都発見1地霊鎮魂』(新潮社、1997年)を捲りました。
「珍皇寺にはこの小野篁の像とともに、篁が夜な夜な冥府に通ったという井戸があるが、これは「往き」の井戸で、帰りは嵯峨野の大覚寺門前、六道町に明治の頃まであった福生寺(ふくしょうじ)の井戸からこの世へ帰ったという。今、その福生寺はないが、井戸の伝承は清涼寺山内にある薬師寺に伝えられている」(p.28)。
一条通から大覚寺門前通りを右手に見て清涼寺に行く手前に六道の辻(福生寺跡)の石碑があるのが不思議でしたが、そういう謂れでした。
嵯峨釈迦堂清涼寺の本堂の左に薬師寺があり、生の六道 小野篁遺跡の石碑が建っています。
去年閉まったアスタルテ書房が2025年3月にアスタルテ書茶房として再出発していました。引き継いだのは深夜喫茶しんしんしんの店主の西條豪さんと紹介されていてて思わず笑ってしまうのでした。
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