霜月の終わりになった。
(購入後記)
ペトラルカは何故か気になっている。最初に手にしたペトラルカは近藤恒一訳『わが秘密』(岩波文庫、1996年)である。本書の解説で近藤恒一が「ペトラルカのモラリスト的関心がとくに強く出ている作品として、まずは対話篇『わが秘密』がある。これは執拗な自己分析と内省の書である」(p.291)と書いてある。谷沢永一の勧めに従って70歳からはモラリストを読むのが私の傾向性なので、本の選択もそうなっている。書簡集を読むようになるとだいたい読書生活も終わりに近づいているに違いない。長いものが読めなくなっているのである。ただ、書簡集といっても決して短いものではないのは、森有正が書簡の形式で書いたエッセイを読めばわかるように、思索の展開にはそれなりの文章が必要になるので、疲れた一日を振り返るにはちょうどよいくらいに分量ということになる。
【思想】
近藤恒一編訳『ペトラルカ ルネサンス書簡集』岩波文庫、1989年
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