読書猿『独学大全ーー絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』ダイヤモンド社、2020年、2022年第13刷
序論を読む。
「独学者にはどんな知識が必要なのだろうか。
まず何を学ぶかを自分で決めるためには、学習の対象である知識がどのようなものであるかを知る必要がある」(p.10)。
これはトートロジーに聞こえるかもしれない。「知識」とは何かは議論に値するテーマで、これに関して読みたい本が多い。「情報科学」を扱うと果てしない。今の関心はITガバナンスになっている。
「独学者はまた、どのように学ぶかを自分で選び、決定しなくてはならない。
加えて自らの学びがうまくいっているかどうかを点検し、必要なら学び方や学ぶ対象を修正する必要がある」(同上)。
相手が分かれば、学び方も分かるのだろう。知識体系がある分野と更新が激しい分野がある。情報セキュリティは学際的なもので、技術から法律まである。技術は日進月歩で変化して、法律は現実に追いつかない。日本十進分類法をみても、情報科学.情報学は総記のなかの007であり、情報セキュリティは007.37であり、社会科学の経済綱目に336.57事務の機械化.コンピュータシステムのなかにシステム監査、ITガバナンスがある。日本十進分類法は学問の体系を記述することにはつかえない。
学ぶことで人は変わる。変わるためにこそ人は学ぶ。
「そうして変化した後には、これまでの学び方は最適ではなくなっているかもしれない」(同上)。
「つまり自律した独学者には、計画を完遂する技術が要る。そのためにモチベーションを維持する、誘惑に負けまいといった自己コントロールについての技術知が必要だ」(p.11)。
誘惑に負けて次々と目移りする本を手に濫読してきた。体系を考えずに読んできたので、雑学というものになっている。自分の望む知識体系を考えて自分の続けられる分野に集中して、あとは常識の範囲にしておくという態度でいくのが良いのだろう。
55の技法を全部読むという計画を立てないようにしている。
第一部 なぜ学ぶのかに立ち返ろう
これだけでよいのかもしれない。
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