料理をするということ

Goinkyodo通信 断片記憶
土井善晴『一汁一菜でよいという提案』新潮文庫、2021年第3刷
食事の見直しは、管理栄養士さんが呆れるくらい、詳細な食材分析を続けて、半年で目的を達成した。その後は、リバウンドしないように維持を努めていたつもりだったが、飲み過ぎで身体を壊したため、記録による管理を続けることにしている。
外食を20年以上続けてきた。道具もないうえ、調理がそもそもできないので、中食(なかしょく)から始めて、食事内容を少しは改善できたと思う。これ以上の改善は中食を続けていては無理なので、内食へ移ろうという時期に料理の指針のような本を読むことは食生活を見直す上で有益である。
「家庭料理に関わる約束とはなんでしょうか。食べることと生きることのつながりを知り、一人ひとりが心の温かさと感受性を持つもの。それは、人を幸せにする力と、自ら幸せになる力を育むものです」(96ページ)。
「持続可能な家庭料理を目指した「一汁一菜でよいという提案」のその先にあるのは、秩序を取り戻した暮らしです。一人ひとりの生活に、家族としての意味を取り戻し、世代を越えて伝えるべき暮らしのかたちを作るのです。そしてまた、一汁一菜は、日本人を知り、和食を知るものでもあるのです」(同上)。
春から始まる季節の肴を読んでいると、兼好の『徒然草』を思い出す。情緒の中で生きてきたわけだ。
「結びに代えて」に出てくる「いい手」を持つ人々の話でよい読後感が残った。
料理に関する本はけっこう研究所にある。同じ本が2冊あるのは珍しくなく、知り合いの割烹の若旦那に差し上げたこともある。魚に関する本は寿司屋の若旦那に差し上げたので、少しは片付いたと思うが、さんざん飲み食いしてきたので、グラスや器もいつのまにか収納の限界を超えて寝室にも及んでいる。
このブログでも何冊かは紹介した。料理の本、食べ物、飲み物の本、旅館、焼き物、骨董。このジャンルの本だけでも、段ボール箱にまとめてみよう。団子皿だけでも段ボール箱に入り切らないくらいあるので楽しみだ。本年の最後のタスクとなるだろう。

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