皐月からテーマ別の読書とやらを始めることにした。
経済史として『国富論』をどう読むのか。当時は重商主義を批判する本であったが、重商主義的な政策が廃れたかといえばそうでもない。
そもそもドラッカーがテーマ別の読書を勧めていたわけだが、彼がどのように読んでいたかは、具体的には分からない。知識が拓ければ参照する本も増えてくる。彼の読者である忙しいビジネスパーソンは最新の経営書は読んでも歴史書を読んだりしないかもしれない。ただ、ビル・ゲーツなどの経営者は幅広く本を読んでいることが知られている。
日経新聞のリーダーの本棚などを見ていると、経営者の好きな戦国時代の本や幕末明治維新の本がよく出てくる。経営学の本はあまり見たことがない。数年分のストックがあるので、統計を発表してもらえたら面白いと思う。
テーマ別の本といえるか分からないが、子安宣邦先生の「大正を読む」の講義で関係する本を毎月課題図書として読んできたことは書いた気がする。戦前の昭和の破綻を大正、明治に遡って考える講座だった。リーダー達の行動ばかり見てきた私には思想的な状況も考慮に入れる必要性を感じさせたのだった。
民俗学として読むか文学として味わうのか。柳田國男の『遠野物語』と宮本常一の『忘れられた日本人』。
山手樹一郎を読んで、娯楽というものもよいことを思い出す。様々な読み方があるので、それぞれ違った楽しみを味わうことができる。
それにしても四半期読書として一貫した読み方はできそうにもない。読書は娯楽で構わない。伊勢屋が二ッ目橋の近くで北側に堅川、南側は松井町通り(P86)で辿れるとなれば、古地図を開いて見る気にもなる。
箱を開けたら佐々木高政の本が出てくるのが怖い。
【経済学】
アダム・スミス、山岡洋一訳『国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究 上』日本経済新聞出版社、2007年、2009年第7刷
アダム・スミス、山岡洋一訳『国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究 下』日本経済新聞出版社、2007年、2010年第6刷
【文学】
宮本常一『ちくま日本文学 宮本常一』筑摩書房、2008年
石牟礼道子氏の解説を読むために買ったと思う。石牟礼道子氏も書いていたように民俗学でなく文学として文体である。柳田國男と異なる民俗学であることはどこかでまとめておく必要がある。それにしてもブログで過去の文章を検索できるようになったので書き易くなった分、書くこともないことが分かった。もう十分書いていた。
山手樹一郎『極楽一丁目』東京文藝社、1972年
【語学】
佐々木髙政『和文英訳の修業』文建書房、1952年、1981年四訂正新版、2010年第89刷
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