『天平萌ゆ 奈良東大寺 悠久の歳事記』(2011)

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『天平萌ゆ 奈良東大寺 悠久の歳事記』東宝株式会社、2011年、DVD104分+特典映像

お水取りは終わったが、何故かテーブルに出ていたのでDVDの封を切った。たぶんお水取りの前に見る予定で段ボール箱から出してきたのだろう。春は恒例の封切シリーズである。といっても関連するDVDは無いので、未開封のDVDを見ることにする。内にいて外出することがなくなると、眠れなくなるし、睡眠が浅くなる。

東大寺狭川宗玄長老が境内にあるお地蔵様をお祈りして廻ることから始まる。

東大寺の南大門の扁額は大華厳寺だった。だいぶ忘れてしまった。解説を聴きながら東大寺の歴史を改めてチェックする。最近『無限の世界観(華厳)』(鎌田茂雄・上山春平、角川書店、1969年)を引っ張り出して読み出したが、鎌田茂雄の言葉が仏典を読むようで素晴らしい。ゆっくり読むことにしたい。

開山堂で練行衆が選ばれるところから一年の行事が始まる。大晦日、修正会、若草山の山焼きの映像が美しい。私は火が好きなのである。メインは修二会である。前行は別火で始まる。帳面に従って造花の椿を作る数も決まっている。知らないことばかりだ。大中臣祓(おおなかとみのはらい)は必見だと思う。生飯(さば)を鳥が持って行くのをはじめて見た。初夜上堂、松明、松明、松明。いままでお水取りのDVDを見てきた中で一番美しかった。神名帳は神様への招待状だった。

一人で見ているのがもったいない。松明を見に行った昔を思い出す。夜は冷える3月の初め、松明の薪の爆ぜる音、飛び散る火の粉。騒めく人々。松明が終わって帰っていく私がすれ違った人は座布団を抱えていた。これから聴聞するのだろう。羨ましいと思った。

修二会が終わると桜が咲き、仏生会、聖武祭(+山陵祭)、お身拭い、万灯会、転害会、蜂起の儀は僧兵が練り歩く、光明皇后1250年大遠忌法要、管長の朝参りで終わる。

音楽は宗次郎

監督は阪本善尚氏

東大寺を扱ったDVDではベストなものだろう。

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