「人間観相学に関して」

断片記憶

曳舟夜話4 「人間観相学に関して」

LE PETIT PARISIENで久々に曳舟夜話があった。国立西洋美術館の「アルチンボルド展」でGiambattista della PortaのDe humana physiognomonia(1586)(国立西洋美術館蔵)が展示してあったという。オーナーが学芸員に問い合わせると、カリカチュアとして展示したという回答があったという。果物や花で顔を造った宮廷画家のアルチンボルドがカリカチュアを意識していたとは思えない。そもそも、『人間観相学』は動物の姿形に対応した性質を人間にも見出そうとした大真面目な本である。著者はナポリの医者、博物学者とwikiにある。

澁澤龍彦がどこかで書いていたことから気になって、オーナーが手に入れたこの本は、フランス語訳初版であった。La physionomie humaine, Jean Baptiste Portaと表紙に書いてある500ページ弱もあるペーパーバックだった。M.DC.LV.とあるので1655年版ということになる。

オーナーの話を引用する。

「太ったみみずくと、年老いて太ったカエサル(大理石像)との対比→太っている人間は、みみずくのように博学で好奇心が強い」というようなしょうもない話である。

こういう本が流行った16世紀は宗教戦争の時代であった。そういえば、モンテーニュを読みかけだった。どこにいったかなあ。

注)

「アルチンボルド展」国立西洋美術館2017年6月20日(火)〜9月24日(日)最終日での紹介になりました。

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