大神神社からのお呼び出し
相方が大神神社に呼ばれた気がするというので、大神神社に行くことになった。私は何回か参拝したことがあるが相方は初めてだという。そういう意味では夏の盛りは避けた方がよいのだろう。私が登拝に失敗したのはこの時期だった気がする。京都から電車を乗り継いで三輪山が見えたあたりから話を始めることにしたい。
三輪駅
纒向駅から三輪山が近くに見えてきた。参道の踏切を越えて三輪駅で車両は止まった。2両編成のワンマンカーは1両目の両端のドアしか開かない。渡線橋を渡り西側の出口へ向かう。台風が近づいているのか、蒸し暑い。三輪駅の渡線橋から三輪山と反対側の一の鳥居が見えた。駅前にはいつもならタクシーが1台くらいは止まっているが、がらんとしている。標識を目印に大神神社へ向かう。
三輪そうめん
参道の踏切を渡り返し、二の鳥居まで来て、ちょっと思案したが、そうめん處森正で昼にすることにした。混んでいたが、ちょうど2人席が空いた。冷やし長そうめん(1,500円。値上りしていた。)にする。相方から冷やしそうめんとの違いをきかれたので、トッピングの違いと答えた。そういえば冷やし長そうめん以外を食べたことはなかった。なぜ、冷やし長そうめんを選んだのか。ジョブ理論によれば、「私の生活に起きたどんなジョブ(用事、仕事)が、私をそうめん處森正に向かわせ、冷やし長そうめんを”雇用”させたのか」を解かなければならない。本人にその自覚がないので解けないままとなる。確かに、つけ汁でそうめんを食べる方式が一般的な食べ方からすれば、丼にそうめんと具を入れてたっぷりのつゆを注ぐ冷やし長そうめんは変わっている。
大神神社
二の鳥居を潜り砂利道の参道を拝殿を目指して歩く。ミンミンゼミが鳴いており、クマゼミの鳴き声は聴こえなかった。お互いにお祓いしてから、拝殿に向かい礼拝する。相方はご朱印帳デビューなのであった。私も久々に朱印帳を持参した。『大美和』を志納金300円で入手した。願い事を書いた紙を七夕の笹に付けてから、宝物収蔵庫へ向かう。段を登った入口から振り返ると、祈祷殿の背後に三輪山が続いていた。中は冷房が効いていて涼しい。堂本印象の絵を久しぶりに見た。抽象画は後期の作品だった。外は蒸し暑いので、駅に向かうことにした。
三輪座
駅前の三輪座で相方に日本酒のアイスを買ってもらい、中で座って食べる。相方が纒向遺跡から発掘された木製仮面のレプリカを土産物の後ろから発見して喜ぶ。売り物じゃないよという私に確信はなかったが、以前ここが板間で炬燵があった時、たぶん2月頃、棚に飾ってあったのを見た記憶があったからだ。本物の木製仮面を見たのは、纒向遺跡で大量の桃の種が発見されたということで桜井市埋蔵文化センターに来た時だった。
注)日程
京都市役所前1023→1034京都1050→1125西ノ京31→38平端42→48天理52→1203三輪
徒歩10分→そうめん處森正→大神神社拝殿→宝物収蔵庫→三輪座→三輪1328→58奈良
注)冷やしそうめん(卵・海老・椎茸)1,000円、冷やし長そうめん(あわふ・三葉・椎茸・海老・茗荷・おくら)1,500円。コスパ重視なら冷やしそうめんかも知れない。
注)ジョブ理論は『イノベーションのジレンマ』だけでなく「ミルクシェイクのジレンマ」も扱っていた。三輪そうめんを食べるという仕事もジョブ理論で解決できるはずだった。大神神社へ車で来たならば、駐車場の近くの食堂を選ぶのが普通で、商店街は駐車場がなく利用しづらいのである。今は思うに最初に入った店がまずくはなかったので、次を探し回らなくてよいということだった。
クレイトン・M・クリステンセン、ダディ・ホール、カレン・ディロン、ディビット・S・ダンカン、衣田三江訳『ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム』(ハーパーコリンズ・ジャパン、2017年)
注)三島由紀夫の文学碑が今回も宿題になった。狭井神社の手前の市杵島姫神社の池畔にあることだけメモして置く。今回は蒸し暑すぎて気力が湧かなかった。
コメント