2017-02

断片記憶

古今和歌集の夏歌の巻

『古今和歌集』の夏歌の巻を読んだ。私も春歌 上下と読んで、立春に始まり、霞や雪、若菜、梅と鶯、桜、山吹、藤など季節が歌により進んでいくことが感じられ、配置を楽しんだ後だったので、そのまま夏歌に入っていけた。 夏歌 34首を見ると、山郭公(や...
古都を旅する

西福寺

週刊新潮の「とっておき私の京都」芥川賞作家の村田沙耶香氏の3回目は「西福寺」でした。「檀林皇后九相図」を村田氏が見ています。九相図は皇后が死んで、その肉体が朽ち果てる姿を描きます。西洋ではメメントモリというモチーフがあり、「死を記憶せよ」と...
読書時間

「良寛の悲劇」とは何か

山折哲雄『「ひとり」の哲学』新潮選書、2016年 山折哲雄氏は良寛を媒介にして親鸞と道元を呼び出す。 親鸞の柏崎へ配流の跡を車で旅する話では、非僧非俗の親鸞の歩みを追いかけているうち、柏崎ということで良寛が出てきた。 山折哲雄氏は谷川健一の...
読書時間

『「ひとり」の哲学』(2016年)

山折哲雄『「ひとり」の哲学』新潮選書、2016年 「ひとり」の哲学 「ひとり」で考えるという基本が揺らいでいるのか。本書を読み始めたときの疑問である。 「ひとりで生きるという意識が、われわれのあいだからしだいに消え失せていったようだ。ひとり...
読書時間

「孤独」と「ひとり」の違い

山折哲雄『「ひとり」の哲学』新潮選書、2016年 買ってからしばらく置いていた。序章の「「孤独」と「ひとり」の違い」を読んで課題図書を読むのを優先したのだった。課題図書を読むのに疲れたのと、埋もれた本が偶然に出てきたので読み始める。 あとが...
四都手帖

四都手帖 2017年03月【編集中】

2017年3月の私的な愉しみと記憶 弥生の京都は桜を話題にする日々が多くなる。目眩く桜花の三月を味わいたいが、それは記憶の中だけにしかない。 奈良のお水取りが終わる3月15日、京都でも清凉寺で御松明があり、やっと底冷えのする冬が終わった気が...
古都を旅する

京都の霊性 「霊性の京都学」最終回

鎌田東二「霊性の京都学90 最終回「京都の霊性」」『月刊京都 2017年3月号』 いつかくるものと思っていましたが、とうとう最終回になりました。このところブログのネタにして来ましたが、7年半も鎌田東二先生に付き合って、月刊京都を買い続けてき...
読書時間

『中村直勝著作集第7巻 歴史と人物』(1978)

中村直勝『中村直勝著作集第7巻 歴史と人物』淡交社、1978年 月報から読む。 「中村先生の人物論の背景」の時野谷 勝(大阪大学名誉教授)は京都大学での講義の思い出を書いていた。「例えば女房奉書などが発給される過程の制度的な解説だけでなく、...
読書時間

『進化しすぎた脳』(2007)

池谷裕二『進化しすぎた脳 中高生と語るの最前線』ブルーバックス、2007年、2016年第30刷 巷に人工知能の本が溢れている。 松尾豊『人工知能は人間を超えるか』(2015)を手にしてから半年が経ったけど、この分野の本が選べないでいる。 そ...
古都を旅する

天龍寺

週刊新潮の「とっておき私の京都」芥川賞作家の村田沙耶香氏の2回目は「天龍寺」でした。曹源地も周りが雪景色です。金閣寺よりもおもろいなあ。雪が降ったら天龍寺や、金閣寺は外を歩くしかないのに対して、天龍寺は書院から眺められる。 プラス1は「御髪...