和歌森太郎『修験道史研究』東洋文庫、1972年
ひととき2017年1月号の巻頭エッセイ京都の路地まわり道が「物の怪」というタイトルで烏天狗の話だったのが頭に残っていたせいか、修験道という言葉と和歌森太郎という懐かしい名前を発見したので購入とあいなった。
専門委員会の帰りに専門委員長が本はカミさんに捨てろと言われるのでiPadにしているという話を聞いて別れたばかりだったが、こっちも若者に処分を迫られているのだった。本もそれぞれ専門の古書店へ行くのならよいが、安売り屋のワゴンに置くほど粗略には扱ってこなかった。しかし、手提げで運ぶには体力も時間もないので、この夏は箱で寄付してしまった。残っている本はやはり愛着がある。
さて、和歌森太郎氏の本は、1942年という戦時統制下の原書の旧仮名遣いを新仮名遣いに改め、索引を宮田登氏に作成させている。本書の主要論文が卒論であるというのがおそれいる。著者は解説で修験道史の学術的研究書がまったく出ていなかったという時代背景を語っている。私も宮家準氏の本も含め修験道の主要図書が何か掴めないでいる。まだまだ読んでいきたい。
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