角倉氏邸跡

旅の時間

予定していた店が改装で休んでいたので、幾つか他の候補を探してみたが、急なので席に空きはないと言われてしまった。そこで、「がんこ高瀬川二条苑」を目指したのは、気まぐれだったが、目的もあったのだった。

ここは、角倉了以の別邸があった跡に、山縣有朋が彼のいう「第二無鄰菴」を作った。最初の無鄰菴は、長州、下関の草庵である。我々が良く知るのは南禅寺界隈にある「第三無鄰菴」である。ここを無鄰菴というのは当時でも、無理があったのではないか。無鄰菴とは隣家がないという意味である。

さて、第二無鄰菴の庭園も小川治兵衛であるという。鴨川のみそそぎ川から水を取り入れて、庭を横切って高瀬川へ注ぐ。第三無鄰菴の水の流れを覚えている人は、第二無鄰菴の勢いのよい流れを見て植治の庭を思い出すかもしれないが、山縣有朋の好みというべきだろう。流れを囲む岸に佇む石灯籠が異様に多いことに気がつく。これはどういう趣味なのだろう。この庭を受け継いだ人々が足していったのだろうか。

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