姜尚美『あんこの本』(京阪神Lマガジン、2010年)
あんこが苦手な著者が松寿軒のあんころ餅で目覚めて、あんこの本を書いてしまった。39軒の写真を見ているだけで楽しくなる本だ。
松寿軒のあんころ餅は土用の入りの日に作られる。亀末廣の大納言は11月の終わりから3月までしか買えない。
紫野源水の松の翠は通年ある。
私にとってはこれ以上の情報は不要である。
なぜなら、亀末廣の「竹裡(ちくり)」という登録商標の栗蒸し羊羹を食べないと秋が来ないのだ。しかも、今年は、9月の秋分の日の後からではなく1週間後になった。私は10月6日に買ったが、いつまでもあるわけでない。10月一杯だろう。丹波の白小豆のよいのが入ったときに5日間くらいしか「幼な木」などは作らないし、去年、数年振りに作ったと主人から聞いたと思う。もうすでに京都のあんこと深いつながりができているのだ。
紫野源水の松の翠はおもたせの定番となり、京都の知人にも呆れられている。雛祭りの飴細工は予約して楽しんでいる始末だ。
松原通の松寿軒は、ハッピー六波羅でお買い物するお茶屋の女将が何かと用意してくれる。
京都では、その店でしか買えないものを買うことに決めているので、土産物屋で買うのは祇園小石の「祇園飴歳時記」という月替りの飴くらいだ。10月は「栗」である。
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