少し京都を彷徨って考えた

断片記憶

京都の伝統産業のエコシステムが崩れつつあるのではないかという疑問を感じたのが今回の都をどりの鑑賞ツアーでした。たまたまの話であれば良いのですがなんか気になります。

御箸司 市原平兵衞商店に久しぶりにお伺いして、朱の塗り箸を探したのですが、見あたりません。店主とお話しをすると、なかなか要領が得ません。真竹でなくゴマ竹の朱色の塗り箸ということに落ち着くまで時間がかかりました。3年前に職人さんが引退したそうです。ゴマ竹の箸を作る職人さんが配下にいなくなったのでした。もともと、先斗町のますだの大皿に載っている朱塗の箸が角箸でシャープだったので聞いたのが始まりでした。

ホテルのレストランで東山の眺望を眺めながら昼食をとったあと、寺町通を上がって伊藤組紐店にお伺いしました。なんかサンプルの組紐が減っています。オーダーできる組み上がりが減ったのは職人さんがいなくなったからと云います。あれ、さっきもそんな話を聞いたばかりです。以前、刀の下緒を作ってもらった時のような組紐はできなくなったと聞きました。お店は指図はしても自身では糸も染めませんが、その製品を作るエコシステムを維持することがお店責任です。そのエコシステムに限界が来ようとしているのでしょうか。もう少し突っ込んだお話を聞きたくなりました。

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