正月も味わうという感覚はなく、普段とどう違うのかわからない。本書は読書計画外の購入ではない。すでに12月中に予約していたのである。すぐに眠くなるのでいつ読めるやらわからないが、著者の講演を聴いているので読まなくても語れる本である。
(購入後記)
著者の講演を聴いた際に、直前でキャンセルすれば良いとのことで予約した。本の売れ行きすら操作される世の中である。しかし、そのまま届いたのであるが、Amazon では発売日より2日遅れる。店頭入手は余程欲しい本であり、どうせ積読になるのであれば予約でもよくなる。
本書は日本経済は国民の広義の経営教育により改善できるという主張である。「誤った経営概念によって人生に不条理と不合理がもたらされ続けている」(p.9)というのだ。しかし、帯が笑ってしまう。ピーターの法則は誰もがその職務に無能になるまで出世するというのである。著者の講演には熱血を感じるが、本書の文体は「冷笑系文体」である。
「本来の経営は「価値創造(=他者と自分を同時に幸せにすること)という究極の目的に向かい、中間目標と手段の本質・意義・有効性を問い直し、究極の目的の実現を妨げる対立を解消して、豊かな共同体を創り上げること」だという(p.8)。
実生活を見直すのにさまざまなヒントを与えてくれる本であると思う。
【経営】
岩尾俊兵『世界は経営でてきている』講談社現代新書、2024年
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