Le Petit Parisienで『羊皮紙のすべて』(青土社、2021年)の著者の八木健治氏を招いてセミナーが開催されたので参加しました。
羊皮紙のサンプルが配られて、まず、クイズです。子牛は生後1月まででないと、硬くなってダメだそうです。皮が厚いと処理が難しいとのことです。歩いたことのない子牛との説明でしたが、死産の子牛だといわれると少し引いてしまいます。山羊の皮はプラッチック感があって透かしてみると毛穴が目立ちます。そして、羊は薄い羊皮紙が作れるそうです。0.04mmの紙まであるそうです。八木さんには作れないといっていました。確かに透き通った羊皮紙は、紙の質が良いです。表側の色が黄色いのは、皮脂か酸化するからだそうです。A4一枚3千円位といいますが、高価な紙です。
オーナーが最近手に入れた16世紀の写本の話が説明しているのを聞いていると、16キロもあるだけでなく、壊れているけど表紙の中身は木でできていて、金具が付いていて、これも3キロあるというのでちょっとした代物です。
八木さんの貴重なコレクションを手に取ってみ触らせてもらいました。その後で、ワークセッションです。サンプルの羊皮紙に羽ペンで書いてみるのでした。
インクは虫ゴブを溶かしたものに、鉄の粉、ワイン、アラビヤゴムを加えたものです。実際に虫ゴブを溶かした茶色の液体に鉄粉(第一酸化鉄)を加えるとタンニンに鉄が反応して急激に酸化して黒色になりました。このままでは、白くカビるため、ワインを加えてアルコールでカビを防ぎます。そこまで実演してから、各人が羽ペンで書くのですが、なかなか羽ペンでツルツルの羊皮紙に書くのは大変です。インクが乾くまで15分くらい。皮にインクが染み込むので、羊皮は改ざんがしにくいので、証明書に使われたそうです。
八木さんが持ってきたのは、ルイ16世のサインとか、ヨーゼフ1世の貴族の任命書なのでびっくりです。エリザベートの旦那のものでした。
資料が多いので、もうお腹いっぱいです。
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