丸山圭三郎『NATSUME 哲学の学校・4 言葉とは何か』夏目書房、2001年改訂新版
丸山圭三郎『フランス語とフランス人気質』(日本放送協会、1982年)の「言葉と文化」「言葉とは何か」に術語解説と人物紹介、参考書を加えて復刊したものと中尾浩氏が解説している。
現在手に入る版としては、筑摩書房から出ている『言葉とは何か』(ちくま学芸文庫、2008年)があることをメモしておく。
丸山圭三郎がNHKの上級フランス語の講師を務めていたのを放送を見ていたので知っていた。ニコラ・バタイユが共に講師をしていたのを知る人が周りにいないのは、こんな仕事をしているからだろうか。
「言葉」についての入門書が、私に必要なのは、最近読んだ今井むつみ氏の『学びとは何かーー〈探求人〉になるために』(岩波新書、2016年)に即して言えば、言葉に対する「誤ったスキーマ」を持っているからだ。「言葉とは物や概念の呼び名である」という常識を持っている人は多いのではないのか。これは「知識=事実」というエピステモロジーのドネルケバブ・モデルと同じだ。「誤ったスキーマ」は克服されなければならない。
この入門書をスタートに言語学、記号学、ソシュール、丸山圭三郎へと関心を深めていきたいものだ。
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