『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』(2015)

断片記憶

入山 章栄『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』日経BP社、2015年

著者の本とは2冊目になります。

1.経営学は何を提供できるか

(1)理論研究から導かれた「真理に近いかもしれない経営法則」

(2)実証分析などを通じて、その法則が一般に多くの企業・組織・人に当てはまりやすい法則かどうかの検証結果

(p34-35)

この二つを自身の思考の軸・ベンチマークとして使うことが、経営学の「使い方」だと著者は考えてます。

2.タイトルについて

出版は著者と編集の共同作業です。

本書のタイトルは編集者が付けたものですが、変なタイトルですね。著者はあとがきでビジネススクールの価値を否定するものではありませんとことわっていますが、タイトルはいかにも光りものです。

研究者でないビジネススクールの学生にとって経営の基礎的思考や人脈を得られるビジネススクールは大変価値があるものと考えてます。

先行論文を探して読んだり、実証のためにインタビューやアンケートに基づく連関分析をしたりする研究者の論文を読むとき、多くの限定を置いていることに気がつきます。その論文を読んだだけでは何の意見も持てないと考えた時、実務家が踏み込んで良い領域であるかどうかは重要です。

本書は経営学の最新の知見を紹介してくれる気楽な本として読むべきで、それ以上のものではないと思われます。最新であるが、Novelなものはこなれていないところもあってこのもととなった連載ものでは説明が足りません。ピンときたら自分で読んで考えないと、知識の受け売りになってしまいます。

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