『平安京の下級官人』(2022)

読書時間

倉本一宏『平安京の下級官人』講談社現代新書、2022

通勤時間に読む気楽な本である。

例によって一次資料だけで論じる方針が書いてあった。もっとも、史料は上級貴族が書いたものしか残らないので、貴族から見た下級官人の振る舞いということで、バイアスがかかっているからそのまま受け取るわけにもいくまい。

それにしても、儀式における失敗を責める上司という構図が多く、官の世界の厳しさを感じざるを得ない。下級官人のやる気のなさについては虎尾達哉著『古代日本の官僚』(中公新書、2021年)を読んでいたので新鮮味は感じなかった。身分の固定した格差社会にやりがいはないということである。

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