水無月になって、花火の前の片付けを考えると物理的な本は控えた方が良いことはわかっているが、斜め読みするには紙の本が優れているのである。
(購入後記)
地元の本屋は刊行時に買わないと、棚のスペースの都合で見当たらなくなる。補充されても誰かが買えば、その補充は翌日になるので手に入れることはできないことになる。
本書の評判が良いので買うことにした。
論理的思考が形式的に(客観的に)一つだけあるというわけではなく、また、国それぞれという相対主義に陥るのでもなく、四領域で示したことは示唆的である。
思考にカルチャーマップが応用されている。今までも「ユダヤ人の思考」のように特徴を述べる本は存在したが、文化の切り口から、経済の論理(アメリカ)、政治の論理(フランス)、法技術の論理(イラン)、社会の論理(日本)として論じる本は新鮮だ。これらは目的が異なるのである。結論は、目的に応じた論理を使うことで多元的思考を身につけて課題を解決しようということである。
論理学、レトリック、科学、哲学の四分野の思考法の比較した一覧表(pp.4-5)を眺めながら、そもそも概念とは何なのかということを考えてしまう。
【知】
渡邉雅子『論理的思考とは何か』岩波新書、2024年、2025年第7刷
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