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『「ひとり」の哲学』(2016年)

山折哲雄『「ひとり」の哲学』新潮選書、2016年 「ひとり」の哲学 「ひとり」で考えるという基本が揺らいでいるのか。本書を読み始めたときの疑問である。 「ひとりで生きるという意識が、われわれのあいだからしだいに消え失せていったようだ。ひとり...
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「孤独」と「ひとり」の違い

山折哲雄『「ひとり」の哲学』新潮選書、2016年 買ってからしばらく置いていた。序章の「「孤独」と「ひとり」の違い」を読んで課題図書を読むのを優先したのだった。課題図書を読むのに疲れたのと、埋もれた本が偶然に出てきたので読み始める。 あとが...
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『中村直勝著作集第7巻 歴史と人物』(1978)

中村直勝『中村直勝著作集第7巻 歴史と人物』淡交社、1978年 月報から読む。 「中村先生の人物論の背景」の時野谷 勝(大阪大学名誉教授)は京都大学での講義の思い出を書いていた。「例えば女房奉書などが発給される過程の制度的な解説だけでなく、...
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『進化しすぎた脳』(2007)

池谷裕二『進化しすぎた脳 中高生と語るの最前線』ブルーバックス、2007年、2016年第30刷 巷に人工知能の本が溢れている。 松尾豊『人工知能は人間を超えるか』(2015)を手にしてから半年が経ったけど、この分野の本が選べないでいる。 そ...
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『スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義』(2016)その2

ティナ・シーリグ、高遠裕子訳『スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義』CCC メディアハウス刊、2016年第2刷 前回は時間切れのためどこかで続きを書くつもりだったが、かなり経ってしまった。スマホで表を作るものの、ココログの設定が分からず...
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小絵馬

『季刊銀花第29号』文化出版局、1977年、特集1 小絵馬 特集2 紅花染 小絵馬を見ていくと、一言観音が出てきた。中世以来、神ばかりでなく仏にも絵馬があげられるようになった。 「奈良興福寺南円堂の横に、線香の煙の絶えることのない堂がある。...
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冨士谷御杖の言霊論と「幽」の世界観

鎌田東二「霊性の京都学89 冨士谷御杖の言霊論と「幽」の世界観」『月刊京都 2017年2月号』 顕の聖地と祭り/幽の聖地と祭り、あるいは青島と恐山、そして日向と出雲 先月は「幽」を論じると予告していた。今回は青島と恐山という二つの聖地が鎌田...
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『日本の護符文化』(2010)

千々和至編著『日本の護符文化』弘文堂、2010年 「おふだ」を抜きに日本の庶民文化は語れない。火災除け、泥棒除け、神社の神札、お寺で祈祷された「おふだ」、蘇民将来の「おふだ」、御守りも中身は「おふだ」である。最近、六波羅蜜寺の空也踊躍念仏の...
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『高野聖』(2011)

五来重『高野聖』角川文庫、2011年 呉座勇一氏の『応仁の乱』(2016)で興福寺の別当を務める貴族の子弟から衆徒や国民にまで話が及んだが、いわゆる国人クラスまでで、武装する最下層の僧侶というわけではなかった。 最下層の僧侶は五来重氏の『高...
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『人間へのまなざし』(1977)

霜山徳爾『人間へのまなざし』中央叢書、1977年、1986年第6版 「病む者は回復を願い、弱い人間は健康を求める」(P8)で始まる小論の主題は人間性である。 霜山徳爾氏の本を久し振りに手に取る。三島由紀夫の『豊饒の海』について言及していたの...