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『ミシェル 城館の人 第一部 争乱の時代』(2004)

堀田善衞『ミシェル 城館の人 第一部 争乱の時代』集英社文庫、2004年、2007年第2刷 『エセー』を書いたミシェル・ド・モンテーニュについての堀田善衞の伝記小説は3巻本であった。菅野昭正氏の解説が各巻にある。谷沢永一は歳をとったらモラリ...
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『辺境図書館』(2017)とは何か

皆川博子『辺境図書館』講談社、2017年 0. 書誌情報 『辺境図書館』は講談社「IN☆POCKET」2014年10月号〜2016年10月号に連載したもの25篇に、書き下ろし「水族図書館」を加え、索引を付けたものです。連載は2017年4月号...
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『青銅の神の足跡』(1979)

谷川健一『青銅の神の足跡』集英社、1979年第2刷 神社の起源を巡る旅を続けているなかで、時々思い出したように手にとる本である。神社の起源の一つを古墳時代の土地の有力者を祀った墓所とする以外に、銅鐸が埋められた聖地として弥生時代に遡れるもの...
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『日本中世に何が起きたか』(2017)

網野善彦『日本中世に何が起きたか 都市宗教と「資本主義」』角川ソフィア文庫、2017年、解説 呉座勇一 もちろん解説を読むためだけに買った文庫本である。 内容は4章からなるが、講演等を集めたものである。 序にかえてを読んでいくと、絵巻物の作...
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若松英輔氏の「霊性論」を読む

若松英輔「霊性論 第4章 岡倉天心と東洋的霊性」『思想 2017.4 No.1116』岩波書店 若松英輔氏が「日本的霊性」を論じていたのは、内村鑑三、新渡戸稲造、鈴木大拙を対象にしたものだった(注1)。若松英輔氏の岩波書店の『思想』に連載し...
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『頼山陽とその時代 上』その4

中村真一郎『頼山陽とその時代 上』ちくま学芸文庫、2017年 第1部第5章 女弟子たち 「京都生活における精神の自由のあらわれのひとつとして、放蕩の他に「女弟子」というものがある」(上P106)。 中村真一郎の思わせぶりの記述である。 さて...
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『頼山陽とその時代 上』その3

中村真一郎『頼山陽とその時代 上』ちくま学芸文庫、2017年 第1部第4章 遊蕩と禁欲 京都に出ても頼山陽の放蕩は止まなかった。中村真一郎は性欲と神経症の関係性に触れたが、神経症はよくなった。妾を置くことで東方(祇園)へ通う気がおこらなくな...
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『頼山陽とその時代 上』その2

中村真一郎『頼山陽とその時代 上』ちくま学芸文庫、2017年 第1部第1章 病気と江戸遊学 中村真一郎は頼山陽の病気を我が事に惹きつけて考えている。頼山陽の神経症は15歳で再発したと母の日記にある。初発は8歳である。18歳で江戸へ遊学した。...
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『頼山陽とその時代 上』

中村真一郎『頼山陽とその時代 上』ちくま学芸文庫、2017年 (書誌情報) 1971年に中央公論社で刊行され、1976年から1977年にかけて中公文庫3巻となった。今回はちくま学芸文庫で上下巻となって出版された。下巻が厚い。 漢字は新字体、...
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『蕩児の家系』(1975)

大岡信『蕩児の家系 日本現代詩の歩み』思潮社、1975年 帯にある清岡卓行先生の批評が本書の意義を要約している。 「日本の近代・現代詩の流れを、「大正詩序説」、「昭和詩の問題」、そして「戦後詩概観」の三部において考察したもので、大岡信がいわ...