2024年06月書籍往来

書籍目録

結構古い本です。

『斑鳩の白い道の上にー聖徳太子論』(朝日新聞社、1975年)の上原和氏(1924-2017)が解説「戦中派としての梅原猛さん」を書いていました。両者は法隆寺非再建論の亡霊と戦ったという意味で戦友と呼ばれてしかるべきと書いていました。美学者の上原和氏の法隆寺本を読んだはずですが、この間の本片付けでは見当たりませんでした。また、読み返して記憶を新たにしたくなりました。それくらい二人は戦争経験により実存的な内実を生きたという意味で根本的なところで共通点があるといいます。

梅原猛氏(1925-2019)が文庫版あとがきで一編の論文を除いたとあったので、こちらは何を除いたのかを後で調べたいと思います。確か単行本を片付けの最中に見かけた気がします。いずれにしても万葉集<古今集、神道<仏教の単純化した図式はとらないということは後の著作で明らかですので、むしろここでは、死を押し付けた戦前の思想に対して激烈な批判を行わざるを得なかった心情を思いやることにします。

【知】

梅原猛『美と宗教の発見 創造的日本文化論』講談社学術文庫、1976年

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