2023年12月購入図書(その6)

書籍目録

師走の終わりは今年の終わりです。

(購入後記)

読書会の参加者の方が別に読書会をしているという本を紹介してくれたので、買ってきた。今の読書会で読んでいる『はじめての「生と死から学ぶ空海の思想」入門』と内容が被るので、相互補完的に読めるのではないのか。

本書は伝統的な仏教理解とは何であったのかを空海の『秘蔵宝鑰』から説明している。

「伝統的理解は、仏教が何に苦しみの原因を求めるかということと、密接に関わっています。

仏教では我執ーー私たちが普通疑っていない、自分がいて、自分が捉えた通りの対象、世界があるという捉え方に実は問題があり、それこそが苦しみの真の原因だと説きます。

それは単なる観念や思想ではなく、私たちが一瞬一瞬感じているリアリティそのものですから、単に仏教を信じるだけでは、苦しみから解放されることはありません。仏教で修行ーー物の捉え方を変える訓練が必要とされるのは、そのためです。

しかし、大多数の人は自分の感じていることこそが「現実」で、それに疑いを抱いたり、変える必要があるとは思っていませんから、物の捉え方を変える修行法があったとしても、それをやろうとはしません。

そのため、一律の教えでは役に立たず、一人一人に合わせ、その人が納得する目標設定をおこなう必要がある、これが伝統的な仏教の考えてめす」(p.8)。

我々はリアリティを感じているが、これを言葉で説明することは難しい。

【思想】

吉村均『空海に学ぶ仏教入門』ちくま新書、2017年

太田博健さんの版画をオーナーが預かってた。

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