深沢七郎記念館のイベントで頂いた『秘戯』(夢屋書店、1979年)をLe Petit Parisienのオーナーさんが糸綴じしてくれた。そのまま読んでいると背糊が剥がれてバラバラになってしまう恐れがあった。和綴本の製作過程のものだったのだろうか。最終の79頁の「天紅について」注記には江戸の遊女に倣ってヌードの女王ヒロセ元美先生のくちづけで天を紅に染めたとある。深沢七郎の洒落である。しかし、不思議な小説である。センセイと呼ばれる私が2人の編集者と息子の四人で博多まで新幹線で行き、人形作りの師匠と40年前の人形を巡って対峙する話である。
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