『講談 英語の歴史』(2007)を読む

読書時間
渡部昇一『講談 英語の歴史』PHP新書、2007年、kindle unlimited
いつの頃からか本は買う物だと思い込んでいたが、この頃はkindleやhontoという購読サービスも使うことから、所有しなくてもよくなってきた。ただ、kindle unlimitedでは、借りられる本数に制限があるので、読んだ本を返すことで新しく借りられる仕組みになっていた。すると、ハイライトやブックマークも消えてしまうので、後から参照できない。必要になる本は購入しなければならないことになる。やはり、買うまでもない本を読む仕組みとして使うしかない。
渡部昇一氏は英語文法史の専門家であったが、知的生活の方法を実践して多くの本を書いてきた。本書は英語史の本であるが、タイトルにあるように講談であるから、素人でも楽しく読める。本の前振りが、福原麟太郎の『英文学の思想と技術』(風光社、昭和23年(1948))という当時の外務省の外交官吏研修所で行われた英文学講義の速記録の話だった。「素人相手の講演の速記録だからすらすら読める」(まえがき)というわけだ。本書を読む私も英語の歴史など知らない素人なのでちょうどよいし、なにしろkindle unlimitedなのでサブスク代くらいのもとはとろうと思っている。
目次を見ているだけで刺激的である。
・なぜringには二つの意味があるのか
・ヒューマニズムとピュアリズム
・突如死んだ中世ラテン語
なぜringには「輪」と「鳴る」の二つの意味があるのか。語源学の歴史からの考察もあり楽しい。
ヒューマニズムとは古典を古典が書かれた文字で読むことだ。ピュアリズム(言語的国粋主義)は外来語を排除する。英国の歴史は英語の歴史でもあることを学んだ。
ルネサンスは古代ラテン語に戻る運動で、中世ラテン語が頓死してしまう話など、講談なので話半分に聞いているだけで楽しめる。
自分にとって刺激的な目次をタッチしてジャンプしてそこを読む。最初から通読する気がない。そういう読み方にさせるのがkindle unlimitedなのかもしれない。

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