2022年09月書籍往来

書籍目録
長月の書籍往来の最初は、先月に続き森有正関係である。この書き下ろしも、すでに昔になった。40年前の本はもう記憶にない。
谷沢永一と渡部昇一の対談本は本の読み方を教えてくれる。谷沢永一は『貞観政要』と『宋名臣言行録』を「我が国が長く重んじてきた政治論の二大テキスト」(p.2、『組織を生かす幹部の器量』)と書いている。日本におけるトップと幹部の在り方に影響を与えてきたという。いずれも山本七平版で読んでいたし、今なら出口治明氏の『座右の書 貞観政要』(角川新書、2019年)があるので、例が新しいのを読みたいのならそちらになるのだろう。『貞観政要』は明治書院版があるが、『宋名臣言行録』は適当なテキストを持っていない。ちくま学芸文庫が入手可能のようなので、読む気になったら本屋で覗いてみることにする。
台風でどこへも行けないので、本の片付けをしていて出て来た。勝俣鎭夫氏の喜寿を記念した論文集である。
晴れた日に読みつつ寝てしまう。漢詩と和歌を詠む良寛は約束事の中で詠じたのであろうか。ことばが真実である保証はない。
【歴史】
勝俣鎭夫『中世社会の基層をさぐる』山川出版社、2011年
【思想】
杉本春生『森有正 ーーその経験と思想』花神社、1978年
【知】
谷沢永一・渡部昇一『上に立つ者の心得 『貞観政要』に学ぶ』致知出版社、2008年
谷沢永一・渡部昇一『組織を生かす幹部の器量 「宋名臣言行録」に学ぶ』致知出版社、2009年
【文学】
入矢孝高訳注『良寛詩集』東洋文庫、2006年
吉野秀雄校註『良寛歌集』東洋文庫、1992年、2005年第5刷

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