週刊新潮の古都を旅する「とっておき私の奈良」作家の門井慶喜氏の1回目は「奈良ホテル」でした。門井慶喜氏は辰野金吾の生涯を追った『東京、はじまる』を書いていますから、奈良ホテルの設計が辰野金吾・片岡安と詳しいです。西洋建築家に和風建築を手掛けさせたといいます。奈良県民にとって純西洋建築の煉瓦造の帝国奈良博物館(現奈良国立博物館)は不評だったといいますから、時代の制約があったのでしょう。
プラス1は旧大乗院庭園でした。奈良ホテルの南側にあるのに行ったことはありません。ホテルに早く着いたら散歩したいところです。ホテルでKrugを飲むのも良いですが、ならまちの酒肆春鹿で冷やした春鹿を飲むのも楽しい。そういう時が来れば良いなと思います。
奈良ホテルは瓦屋根の和洋折衷洋式のホテルで、本館ロビーには暖炉が鳥居で縁取られています。最初に見た時は趣味が悪いと感じました。本館はシャワーを使うだけの浴槽が狭い割には深い部屋しか泊まったことしかありませんが、新館は快適なバスルームでした。しかし、夏は朝から蝉の鳴き声で目が覚めてしまいました。
2021年9月30日秋風月増大号
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