『「超」AI整理法 』(2019)

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野口悠紀雄『「超」AI整理法 無限にためて瞬時に引く出す』KADOKAWA、2019年

野口悠紀雄氏の超整理法でやれたのは、会社に席があった時代で、フリーアクセスになってからは会社に書類の置き場がなくなった。それに追い討ちをかけるようにデジタルなものが増えて、「超」整理法が効かなくなった。なんでもEvernoteに保存する時代もあったが、今はデータが散在してしまっている。

久しぶりに野口悠紀雄氏のnoteを見て現時点でデジタルデータの整理法を考え直したくなった。スマホで読むよりは本の形で読むのが圧倒的に早いので、本を買いに行った。PCは仕事でもないと使う気にならないが、考えてみれば、ボランティアも仕事と考えれば、PCを使うべきであろう。このブログをPCで書けば少しは良くなるだろうが、ブログは移動の合間にしか時間を裂けないので、部屋では通勤で持ち歩けない書籍を読むのと、未開封のDVDを見ることにしている。

「超」整理本の原理として、「最後に使われてから最も長い時間がたったものを捨てる」(P60)がある。これはLRU(Least recently used:最長時間未使用の原理)といって、コンピュータサイエンティストがキャッシュメモリの設計で使った原理と同じだった。キャッシュの捨て方の問題だ。

もう一つの原理は「使った資料は元に戻さず「先頭に置く」(P62)という。キャッシュで言えば、「同一の検索値で次回探索したときに最短時間で探索できるようにするには、キャッシュのデータをどのように配置換えすればよいか?」という問題、「自己組織化リスト」(Self-organizing list)の問題なのだという。この問題は「使用したデータをリストの先頭に戻せばよい」というMTF(Move-to-front)法として証明されているという。

偶然とは言え、野口悠紀雄氏が経験的得られた原理は正しいことが証明されていた。ここまでは、『「超」整理法』(中公新書、1993年)のおさらいである。

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