古書もの語り 30 『梵雲庵雑話』

ひととき

古書もの語り 30 『梵雲庵雑話』

ひととき2019年6月号に内掘弘氏が『梵雲庵雑話』のことを書いていました。淡島寒月の没後文集で、表紙に江戸時代の草双紙の絵袋を一枚ずつ貼っているそうです。限定千部が全て違った表紙になっていて、内掘弘氏は2冊の写真を載せていました。

なにやら、似たような話があるなと思いましたが、出版社を見て納得しました。書物展望社とあれば、齋藤昌三の仕事に違いありません。先頃、齋藤昌三の仕事をブログに書きましたが、1933年というと『書痴の散歩』(1932年)の後、『銀魚部隊』(1938年)の前ですから、齋藤昌三が装釘でやり放題の時です。『銀魚部隊』では友禅その他等の型紙を表紙に使って、その型紙で印刷したものを見返しにするというなんとも手間な仕事でした。

淡島寒月『梵雲庵雑話』書物展望社、1933年

柳桜園の新茶をいただく。季節ですね。

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