高槻泰郎『大坂堂島米市場』講談社現代新書、2018年
読んでからまとめをしないで放置していたが、思わぬところで本書が役に立った。金融庁が主催した「明治150年」関連シンポジウム〜明治時代の金融制度が果たした役割〜(2018年9月6日)で、宮本又郎(大阪大学名誉教授)氏の「江戸から明治へ、商品・証券取引所の展開」という講演を聴いた。堂島米市場の話になったので、正米商いや帳合米商いなどの用語が出ても、すっとついていける。高槻泰郎先生様々である。
本書に興味を持ったのはパラ見していて、柴田昭彦著『旗振り山』(ナカニシヤ出版、2006年)を第10章江戸時代の通信革命の参考文献として発見してからで、柴田昭彦氏を旗振り通信研究の第一人者として紹介(P290)しているのを見て嬉しくなって買ったのであった。だいぶオタク的な理由である。
金融庁の後援なので、堂島米市場は商品先物取引であり、管轄外であるが、短期金融市場の役割もあったと宮本又郎氏が気にしていたことが面白かった。
堂島米市場は明治2年に一旦停止になる。江戸時代の堂島米市場を扱った本書のあとの展開を宮本又郎氏から聴けたので、非常に満足しているのであるが、資料をまとめるのは難しく、講演資料をPDF化してEvernoteに保存するのが精一杯である。
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