2018年05月書籍往来
G.M.ワインバーグ、木村泉訳『システムづくりの人間学』共立出版、1986年、1990年第10刷
ひところワインバーグの本をよく読んだ。システムに関わる仕事をしているとぶつかる名前である。今はどうだか知らない。事務所に何冊かあったので、これを研究所に持ってきて読んでいる。システムは人がまだ作っているので、人間的な側面の観察が必要になる。
例えば、観察について、そのシステムを「理解するために検討し、批判のために検討するな」というフレーズが出てくるとワインバーグ物らしくなる。僕らはこれを標語にためて摩擦を減らそうとした。仕事のルールは共有されて良い。
インタビュー技術では、「すべての技術的質問を、答えが自己確認的であるように組み立てよ」といのがでてきた。何を言ってるか分かりにくいが、要は、答え=情報+確認情報+雑音、という式からも分かるように、単に数字だけだったり、イエス・ノーという回答では程度や前提条件などの確認情報がないため判断を誤るケースが出てくる。答えには雑音も含まれるが判断するに足るだけの根拠を得なければならない。自己確認的という表現は分かりにくいので、「質問は情報の根拠を含めて確認せよ」という標語にする。
知見は意識して使わなければ身につかないが、まず、プロジェクトをまわすには予め知っておかなければならないこともある。そんなことを思い出させてくれる本だった。
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