『展望の山旅 山から見る山・町から見る山』(1987)

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藤本一美・田代博編著『展望の山旅 山から見る山・町から見る山』実業之日本社、1987年第3刷

天気が良く山頂からの展望があればこれに越したことはない。連なった山々に名のある山を同定できればなお嬉しい。この本はそうした願いを叶えてくれる。

本書には、山から見える山として、奥多摩の大岳山に始まり北は燧ヶ岳、東は筑波山、南は万三郎岳、西は御岳山まで72座の山頂からの展望図や写真、山の解説、アプローチが書かれている。

また、町から見える山として、首都圏から見る山に東京・横浜・大宮・国立が、"山都"から仰ぐ山々に秦野・甲府・松本・大町・高山・富山からの展望図と写真が掲載されている。

今は、山座同定アプリもあり、GPS機能でスマホでかざすだけで山の名前を教えてくれるものまである。

1987年という出版の時期を考えると色々と面白い。帯には「日本初! 待望の山のパノラマ集」とある。その後、「カシミール」というPCソフトで山座同定することが流行り、アナログ的な手法は廃れてしまった。

「望岳都」としてのランドマークも東京タワーから東京スカイツリーへ移った。ここに扱われている展望台は当時の懐かし景色を見せてくれる。

横浜マリンタワー91mの展望台は、横浜ランドマークタワーの69階展望台273mとなった。

大宮市(現在のさいたま市)の大宮駅の東口ビルからの眺めも、1988年に大宮駅西口に大宮ソニックシティビルの30階31階の展望台に取って代わるが、震災以降、閉鎖されてしまったのは残念だ。さいたま新都心合同庁舎1号館の31階からの眺めも隣のLAタワーに少し遮られてしまうからである。

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