もう、いつのことだか覚えていないが、朝にトーストを食べながら、本を読んでいる時間が堪らなく嬉しい時があった。辻邦生の『パリの手記Ⅰ 海そして変容』(河出書房新社、1973年)を読んでいた時であろうか、浪人生なのにそんな時間があったのだろうか。
この頃は学参ばかりやっていて本を読んでないので、書くこともなくなった。本を読めないから、本を読むことはどういうことなのかを考えている。本を読む歓びとはなんなのか。冒険物や推理小説は勿論楽しかった。英語で読んだか、日本語で読んだかはっきりしないが、ビジュアルな記憶があるとすれば、英語だったのかもしれない。漢語よりも英語の方に想像力を感じていた頃のことだ。
今、細切れの時間でラテン語の辞書を引きながらカエサルを読むことを夢想しているが、文法の難しさに解説書が欲しいと思う。英語のペーパーバックを辞書を引き引き読んでいた昔は辛抱強かったのだろうか。将棋やチェスの本を読んで駒を並べていた頃の時間はどんな経ち方をしていたのだろうか。
掃除をしていたのであるが、いつのまにか手にした本をパラパラめくっている。最近はkindleの試し読みだけ読んでおしまいにしているから、ゆっくり本を読んでいたいのであるが、やることが多いのでそうもしていられない。タスクを細かく切っているので、期限までに進めないと花火の日が大変になるので、2週間にせまったこの連休は最後の踏ん張りどころである。
コメント