老人の時間

読書時間

貝原益軒の『養生訓』巻第八に、

「老いての後は、一日を以(て)十日として、日々に楽しむべし。つねに日をおしみて、一日もあだにくらすべからず。」とある。

一日一日が長かった子供の時代と一月二月がすぐに経ってしまう老人の時代がある。この時間感覚がどこからくるのか知らないが、定年後の余生を生きている感覚からすれば、事を減らさなければならないことは分かる。一日とておろそかにできない。

茶を点てる時間が幸福と感じる時間であり、花を生ける時間が幸福な時間である。食事をとる時間は格別である。

貝原益軒はまず「食治」をいう。医食同源とか薬膳にも通じる。生活習慣病は食事改善が基本である。薬に頼らないで食事で治す。ここでも「少欲」という禁欲思想が貫かれている。

斜め読みしたり、解説だけ読んだりしただけで一旦終える。この後は、子安宣邦先生のお話を伺ってからにする。

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