105 「深泥池」千宗室

ひととき

ひととき 2018年7月号の千宗室さんの京都(みやこ)の路地(こみち)まわり道は「深泥池」というタイトルでした。梅雨時の五月晴れを俄かに搔き消す積乱雲に雨のにおいを感じた家元は、この忘れられた深泥池(みぞろがいけ)はもはや言説の中にしか存在しないかのように、刻々と変じていく景色風を描写します。見事というしかありません。人工的な宝ヶ池と対比し深泥池を隠者と見る目が面白いと思います。いつのまにか、日差しが漏れ影を取り戻した世界に、向日葵が咲いて入れはよいと思う家元でした。

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